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(2018/9/6)
カテゴリ:経営情報
リリース発行企業:認定NPO法人フローレンス
当日予約で100%自宅に駆けつける病児保育サービスを、月会費1,000円で提供するという日本初のひとり親支援の形。2400名を超える寄付者と企業によるサポートが支えました。
この夏、フローレンスはひとり親家庭を病児保育で支援する「寄付によるひとり親支援プラン」を開始してから10年の節目を迎えました。 このサポートを受けてフローレンスの病児保育を利用したお子さんは、のべ969名。寄付を原資としたこのプランの運営を支えた寄付者の数は、のべ2,400名を超えます。
訪問型病児保育事業を運営する認定NPO法人フローレンスは、ひとり親家庭を病児保育で支援する「寄付によるひとり親支援プラン」を開始してから10年の節目を迎えました。
フローレンスの訪問型病児保育は子どもが病気の時、当日予約でも病児保育専門スタッフが駆けつけご自宅でお預かりするサービスです。
子どもの急病時、両親2人の家庭であればどちらかが仕事を休んで看病することもできますが、ひとり親家庭はそれができません。
子どもの病気=死活問題となるひとり親家庭が、もっとも病児保育を必要としているのではないか?と考え、フローレンスは2008年7月からひとり親家庭の子育てと就労継続を支えることを目的に、病児保育の「ひとり親支援プラン」を始めました。
ひとり親家庭の親御さんが安心して働けるように、入会金無料・月会費1000円(税抜)の安価で、病児保育サービスを提供しています。
通常の月会費は平均月8,000円程度なので、かなり安価に病児保育が利用できるプランで、差額は寄付で支えるという日本で初めての支援プランです。
このサポートを受けてフローレンスの病児保育を利用したお子さんは、のべ969名。寄付を原資としたこのプランの運営を支えた寄付者の数は、のべ2,400名を超えます。安心して子育てにも仕事にも打ち込めることは、ひとり親家庭の親御さんを、経済的にだけではなく精神的にもサポートしています。
株式会社であれば、このような赤字が出る状況では、ニーズに応えるのが難しいかもしれません。
利用者の負担を最小限にしながら、支援する人の輪を広げてきた「ひとり親支援プラン」はNPOだからこそできた事業です。多くの寄付者・支援企業の応援と善意と共に歩んできた「フローレンスの病児保育ひとり親支援プラン」10年の歴史を以下に振り返ります。
創業~2008年6月:ひとり親家庭に病児保育を提供できない悔しさ
フローレンスの訪問型病児保育では、病児保育専門の保育スタッフ(こどもレスキュー隊員)がお子さんの保育を行います。
2005年の創業以来、当日予約で100%ご自宅に駆けつけるというサービス内容と、保育スタッフの直接雇用、病児保育の質の維持と向上に一貫してこだわり続けています。
一方でその特色は運営コストとして、病児保育の月会費や保育料に反映されてもいます。
夫婦が交代で看護休暇などをやりくりできる共働き世帯に比べ、シングルマザー、シングルファザーといったひとり親家庭にとって「子どもが病気になった時」は死活問題です。一方で、共働き世帯よりも月会費や保育料の負担感が重いのも、ひとり親家庭です。
フローレンスの病児保育を利用したいと考えているひとり親家庭が一定数いるとわかってはいても、創業当時は安価に提供できる方法が見つからず、悔しい思いが募る日々でした。
2008年7月:企業からの支援により、念願のひとり親家庭向け病児保育がスタート
ひとり親家庭に安価に病児保育を提供するモデルづくりのきっかけとなったのは「企業からの寄付」でした。
ゴールドマン・サックス証券会社からの支援を受けて、定員20名の「ひとり親パック(ゴールドマン・サックス枠)」をスタートすることができました。
これが、現在の「ひとり親支援プラン」のベースとなったのです。
2008年11月:個人による寄付(サポート隊員制度)を創設
企業からの支援でスタートした「ひとり親支援プラン」への申込み希望は多く、ひとり親家庭が本当に病児保育を必要としていることがわかりました。
そこで、さらに広くご支援の輪を広げるために、個人による「サポート隊員制度」を創設しました。これまでにのべ2,400名の方がご支援に参加しています。
現在は1ヶ月に1,050円(ほし組)~16,800円(ぎんが組)まで5つのプランと、定額・継続ではないその都度、自由な金額でのご寄付も承っています。
https://florence.or.jp/lp/support-single/
2012年9月、2016年4月:利用基準の見直しを実施
サポート開始当初は「法律上のひとり親家庭」に利用を限定していましたが、現在では「事実上のひとり親家庭」でもご利用いただくことができます。例えば、「戸籍上は婚姻中だが、生活や収入はすべて自分ひとりで賄っている場合」や「未婚で出産・子育てしている場合」などです。
もう1つの見直しは世帯年収の上限の拡大。現在は「世帯年収400万円以下」となっています。
ひとり親母子家庭に関する全国調査をみても、世帯年収の平均は347万円、世帯年収400万円未満の家庭が約7割を占めており、平均的なひとり親母子家庭の多くでご利用いただくことができる基準であることがわかります。(世帯年収平成28年度 全国ひとり親世帯等調査 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11920000-Kodomokateikyoku/0000188167.pdfより)
(※注:ご利用は、収入や児童扶養手当の状況など、当会独自の審査が完了した後となります。利用枠に限りがあるため、入会をお待ちいただく場合もあります。)
社会貢献に高い意識を持ったビジョナリーな企業からの支援とともに
企業からの支援でスタートすることができた、ひとり親家庭庭向けの病児保育サポート。
のべ2,400名を超える個人サポート隊員からの寄付に加えて、多くの企業から支援をいただいたことが、10年間の会員数(累積)の順調な拡大につながっています。
◆「ひとり親家庭の病児保育利用」に支援をいただいた主な企業(50音順)
株式会社カタログハウス
関西電力株式会社
ゴールドマン・サックス証券会社
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
合同会社西友
鳴海製陶株式会社
日本オラクル株式会社
日本ロレアル株式会社
株式会社バリューブックス(チャリボン)
株式会社waja(FCP)
ほか、何十社もの企業さまからのご支援をいただいてきました。
病児保育を利用したひとり親家庭、今度は支援者側に
フローレンスのひとり親向け病児保育を利用することで、安心して仕事に取り組むことができる、就職につながる資格を取得できた、非正規雇用から正規雇用に変更できたなど、多くの声をいただいています。
2年間のひとり親支援プランを卒業後、寄付を始めた元利用会員さんもいらっしゃいます。
このように、「ひとり親支援プラン」卒業後の方の中から、必ず一定数は「ひとり親支援のサポート寄付会員」になられたり、単発の寄付をされる方がとても多いことも特徴的です。
ペイ・フォワード(恩送り)という言葉がありますが、親切にしてもらったり助けてもらった御礼を、別の人への親切につなげていくという流れがひとり親支援プランの中で自然にできていたことは、私たちの想像を超えていました。
『今まで助けてもらったから、これからは自分が支援できるように。
子どもの頃ひとり親の母の苦労を見てきたから、今ひとりで頑張ってる女性を放っておけない。
困った時はお互い様。』
そんな子育て支援の輪が広がってきた10年でした。
フローレンスは今後もひとり親家庭の乳幼児期の子育てをしっかりと支え、どんな境遇の子どもたちも未来に希望が持てる社会に変革できるよう、活動してまいります。
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