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全国4箇所を日本山岳遺産認定地として決定

(2018/11/7)

カテゴリ:調査レポート

リリース発行企業:株式会社インプレスホールディングス

全国4箇所を日本山岳遺産認定地として決定


 インプレスグループで山岳・自然分野のメディア事業を手掛ける株式会社山と溪谷社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川崎深雪)と、同社が2010年に設立した日本山岳遺産基金では、2018年度の「日本山岳遺産認定地」を決定し、以下の通り発表します。

2018年度の日本山岳遺産認定地と認定団体
 2018年度の日本山岳遺産認定地と認定団体は以下の通り。
 本年度は12の団体からの申請があり、以下の4箇所を認定しました。
 各認定団体には、本年度中に来年度の活動に対しての助成金を拠出します。併せて山と溪谷社の媒体を活用した広報支援を行う予定となっています。



●大雪山・黒岳(北海道)/一般社団法人 大雪山・山守隊
【山の概要】
 大雪山国立公園は2268平方キロに及ぶ日本最大の国立公園。その北東に位置する黒岳(1984m)は、火山性の大雪山のなかでも珍しく頂上付近まで緑が濃く、豊かな自然を有する。起点となる層雲峡からはロープウェイがあり、七合目まで手軽に登ることができるため入山者も多い。山頂からは凌雲岳(2125m)、北鎮岳(2244m)、北海岳(2149m)など大雪山系の山々が見渡せる。

【認定団体】
 2011年、有志によるプロジェクトとして活動開始。2018年3月、任意団体から一般社団法人に改組。登山道整備活動「たまには山に恩返し」を定期的に行う。浸食の進んだ荒廃登山道とその周辺の生態系に対し、できるだけ景観を変えないよう配慮した「近自然工法」による登山道整備を実践している。

【認定理由】
 営業小屋のない山域で、持続可能な登山道維持活動を模索・継続している点、行政や研究機関と協働し、一般のボランティアも巻き込みながら活動を広げていこうとしている点を評価。


トムラウシ山(北海道)/新得山岳会
【山の概要】
 大雪山国立公園のほぼ中央に立つ標高2141mの山。「大雪の奥座敷」とも呼ばれ、日本百名山に選定されている。独立峰のような風格が漂う雄大な山容を持つ。頂上付近には、高山植物のお花畑や湖沼などの大自然が残り、訪れる登山者を楽しませている。
【認定団体】
 1951年結成、2011年に60周年を迎えた山岳会。佐幌岳山頂にある佐幌岳避難小屋、南沼野営指定地の携帯トイレブースを管理する。野営指定地外に広がるトイレ道の植生復元活動や、携帯トイレ利用状況調査などを行っている。
【認定理由】
 深刻化する山のトイレ問題への解決に向けた、携帯トイレブースの増設には必要性が感じら
れる。また、長年地域に根ざして活動している点を評価した。

●飯豊山(山形県、新潟県、福島県)/特定非営利活動法人 飯豊朝日を愛する会
【山の概要】
 飯豊山(2105m)を擁する飯豊連峰は、大日岳(2128m)、御西岳(2013m)などが十数キロに渡って連なる。磐梯朝日国立公園内に位置し、主稜線は特別保護地区に指定されるとともに、森林生態系保全地域とされている。日本海からわずか50kmしか離れておらず、有数の豪雪地帯ともなっている。飯豊山の開山は白雉3(652)年とされ、古くから山岳信仰の山としても知られる。
【認定団体】
 2007年の設立以来、山形県小国町に事務所を置き、飯豊・朝日連峰において、安全登山の推進(避難小屋や山小屋の維持管理)、植生の復元(裸地化した登山道の被覆や植生調査)、遭難対策活動(登山技術講習会)などを行う。
【認定理由】
 過去10年間の保全活動を評価。ボランティア(登山者)を募って保全作業をすることは、山岳環境保全の意識醸成に効果が大きいと考える。

●鹿沼市・岩山(栃木県)/機動パトロール隊
【山の概要】
 鹿沼市街地の西側に位置し、市民のハイキングコースとしてよく知られる低山(328m・一番岩)。豊富な自然環境が保たれ、イノシシやシカなどが生息する。古くから岩登りの初心者向けの練習場や安全登山講習に利用されてきた。岩質が凝灰岩のため降雨後などは滑りやすく、コース中には鎖やハシゴを利用する場所があり、毎年平均2~3件の滑落事故や遭難事故が発生している。
【認定団体】
 2008年設立。鹿沼市を中心に登山事故防止や安全啓発活動を行う。主な活動として、自治体と連携した山間部でのレスキュー活動、定期巡回による事故防止活動、地域の小中校生に向けた自然体験学習などを実施。その結果、2013年には栃木県知事から感謝状、2016年には鹿沼警察署長より感謝状を授与されている。
【認定理由】
 実際に事故が多発しているエリアなので、早急な対策が求められる。登山届提出箱の設置や安全登山啓発ガイドブックの作成などは、安全登山啓発活動に対する具体性がある。小中学生を対象とした安全登山講習は、次世代登山者の育成にもつながる点を評価。

2019年2月には日本山岳遺産サミットを開催
 当基金の活動を報告し、今年度の認定団体を表彰する「日本山岳遺産サミット」を2019年2月23日(土)に、東京・神保町のインプレスグループセミナールームにて開催予定。認定団体による活動報告のほか、山や自然の有識者による基調講演も行われます。
 詳細は当基金のウェブサイト、ニュースリリース等で発表します。

■日本山岳遺産とは
 「日本山岳遺産」とは、豊かな自然環境を守りながら、人が自然との関わりを保った地域活動が盛んな山や山岳エリアを、日本山岳遺産基金が地域の自薦に基づいて認定するものです。認定にあたっては、当基金アドバイザリーボードの意見を参考に審査しています。これまで8年間で美瑛富士(北海道)、岩手山(岩手県)、入笠山(長野県)、大台ヶ原大杉谷(三重県)、伯耆大山(鳥取県)、石鎚山(愛媛県)、嘉穂アルプス(福岡県)など全国26箇所を認定してきました。
*日本山岳遺産基金アドバイザリーボード:田中文男(日本山岳・スポーツクライミング協会顧問)、西本武志(日本勤労者山岳連盟元会長)、山川陽一(日本山岳会)、下野綾子(東邦大学講師、日本山岳会)、野口健(アルピニスト)

■日本山岳遺産基金について http://sangakuisan.yamakei.co.jp/
 登山と自然の専門メディア社である山と溪谷社が、日本の山岳自然環境の保全、次世代の登山者の育成、安全な登山の啓発を目的に、2010年に設立した任意団体。山岳地でのゴミ拾い、マナーアップの呼びかけ活動や、青少年登山への支援を行うとともに、日本山岳遺産を認定・発表し、上記の目的に沿った活動団体に助成を行っています。


【山と溪谷社】 https://www.yamakei.co.jp/
1930年創業。月刊誌『山と溪谷』を中心に、国内外で山岳・自然科学・アウトドア等の分野で出版活動を展開。
さらに、自然、環境、ライフスタイル、健康の分野で多くの出版物を展開しています。

【インプレスグループ】 https://www.impressholdings.com/
株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役:唐島夏生、証券コード:東証1部9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「山岳・自然」「旅・鉄道」「学術・理工学」を主要テーマに専門性の高いメディア&サービスおよびソリューション事業を展開しています。さらに、コンテンツビジネスのプラットフォーム開発・運営も手がけています。

【本件に関するお問合せ先】
日本山岳遺産基金 事務局 (株式会社山と溪谷社 内) 
〒105-0051 東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング
日本山岳遺産基金 事務局 TEL03-6744-1900(代) メール:kikin_info@yamakei.co.jp

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