[ その他 ]
(2015/11/17 05:00)
「A社は〇年入社組に優秀な人材が多い」「B社は×年組が粒ぞろいだ。そのうちの誰かがいずれ社長になるだろう」といった人事をめぐるうわさ話がよく聞かれる。2017年春の入社組が話題の中心になる時代がくるかもしれない▼そんな将来の幹部候補生が、就職活動で困惑している。企業による選考開始(解禁)時期が二転三転しているからだ。昨年までの解禁は4月だったが、8月に今年変更されたばかり。だが経団連が2カ月前倒ししたいとの意向を明らかにした▼ルールが迷走するにはさまざまな要因がある。4月から8月に遅らせたのは安倍晋三政権の「学生の勉強時間を増やすべき」という要請だった。しかし8月だと炎天下での就活となり、企業は選考期間をもう少しほしい▼気の毒なのは、8月解禁と聞いて海外留学した学生だ。5―6月に帰国すれば解禁に間に合うはずだった。それがいきなり6月解禁になれば準備が間に合わず、グローバル人材はスタートから出遅れてしまう▼ビジネス社会で朝令暮改はよくあること。それを就活段階で経験することになるとは学生も思わなかっただろう。「企業は人なり」。優秀な人材が日本企業にそっぽを向くようなことのないよう祈りたい。
(2015/11/17 05:00)