[ その他 ]
(2015/12/10 05:00)
神戸の夜が今年も鮮やかな光に包まれている。この時期の風物詩となった「神戸ルミナリエ」。街を華やかに照らし、行き交う人々を引きつける▼阪神・淡路大震災の年、1995年12月に初開催。以来、犠牲者の鎮魂と都市の復興・再生を願って毎年開いてきた。21回目の今年は開催趣旨から「復興・再生」という言葉が消え、「まちのさらなる魅力発信と神戸地域への集客」をうたったことが話題になった▼新たな取り組みをいくつも始めたところにも、主催する市や兵庫県、神戸商工会議所の意気込みが表れている。白熱電球をやめ、約30万個の電球すべてを発光ダイオードにした。目玉は従来のアーチに代わって登場した長さ16メートルの屋根付きの光の回廊「ガレリアコペルタ」▼会場周辺では地元企業11社が豚まんや洋菓子などのブースを出店し、ジャズやフルートをライブ演奏する「踊る! KOBE光のファウンテン」を初めて開催。ルミナリエそのものの資金をクラウドファンディングで募る試みも今回から始めたものだ▼鎮魂という原点を忘れてはいけない。しかし、こうしたリニューアルが地元にさらなる発展をもたらすなら、亡くなった方々も喜んでくれるだろう。開催は13日まで。
(2015/12/10 05:00)