[ その他 ]
(2016/2/16 05:00)
米グーグルの完全無人運転車に搭載される人工知能(AI)について、米運輸当局が法律上の運転手とみなす見解を明らかにした。画期的な解釈に驚かされる▼会社などは法律上、自然人でなくとも権利義務の主体となれることから法人と呼ばれる。運転手代わりのAIはさしずめ「機人」といったところか▼機械の麗人といえば女性アンドロイド「エイヴァ」が思い浮かぶ。日本未公開の英SF映画『エクス・マキナ』の主人公。AIの判定テストを任された若いプログラマーに”彼女“が寄せた恋愛感情は本物か、単なるシミュレーションか、あるいは別の狙いで“ふり”をしているだけなのか▼とはいえ、人間そっくりのモノを作るのは至難の業。作り物の顔を人間にどんどん近づけると不気味になる現象を「不気味の谷」という。ロボットに詳しい米国人編集者のリノ・ティブキーさんは本紙の連載で、この現象が解消されれば「人でない存在が、ただいるだけ」になると予測する▼映画のエイヴァは人の考えや表情、行動をデータとして取り込みつつ、外見でも機能でも人に近づき、そして人を超えていく。そんなニュータイプの「機人」を社会に受け入れる時代が、いずれやって来るのだろうか。
(2016/2/16 05:00)