[ オピニオン ]
(2016/5/5 05:00)
5日はこどもの日。男子ばかりが休日なのは不思議だという疑問は、だれしも一度は持つもの。季節にちなむ異名の『菖蒲(しょうぶ)の節句』が『尚武』に通じるために日本独自の伝統が生まれたが、本来の『端午の節句』に性別はない。
実は年齢もあまり関係ない。森羅万象は五つの要素から成り立つと考える古代中国の五行思想に基づけば、5月5日は1月から9月までの奇数月に設けられた五節句の3番目だ。
木・火・土・金・水の五行の5元素では「土」、青・赤・黄・白・黒の5色では「黄」に該当し、いずれも「中央」の意。太陰暦では立夏の直前、暑さに向かう時期であり、年央の趣が強い。そういえば端午の「午(うま)」は、十二支を使う古い計時法でも正午である。
ただ4月始まりが定着した日本文化なら、5月はまだ出だし。春の若葉のイメージだ。五行思想で春は「木」。5色のうちの青が該当し、これが「青春」の語源でもある。五行では伝説上の聖獣の割り当てもあり、春は「青(蒼)龍」。日本で生まれたこいのぼりの文化に通じる。
5月5日は年の半ばか、それとも始まったばかりだろうか。正月に立てた目標のゴールの遠さを思えば「こどもの日なんだから、長い目で見て」と言い訳したい。
(2016/5/5 05:00)