[ オピニオン ]
(2016/5/4 05:00)
サッカー日本代表の岡崎慎司選手が所属するレスターが、英国プレミア・リーグで初優勝した。チームは1884年創立の古豪だが、10年ほど前は3部リーグへの降格も経験しており、その喜びはひとしおだろう▼英国民にとってサッカー以上の関心事が、6月23日に迫った欧州連合(EU)残留・離脱を問う国民投票。当初は「離脱はないだろう」との見方が多かった。だが、パナマ文書の流出などで最近の予想では大接戦になっている▼そもそも、なぜEU離脱が問題なのか。英国では以前から「欧州統合のメリットを受けていない」という不満がくすぶっている。経済的にも近年のユーロ危機でEUの重要度は低下しており、離脱派が勢いづいた▼移民やテロの問題で国民が内向きになっていることも離脱派に有利。さらにキャメロン首相に脱税疑惑が浮上したことは残留派にとって痛手だ。その残留派は、貿易額減少や企業の海外移転などの損失が大きいことを強調して支持を訴える▼もちろん最後は有権者の選択次第。投票日にはサッカー欧州選手権が開かれるとあって、熱狂的サッカーファンは国民投票どころではないかもしれない。だが、英国の将来の方が大事なことは言うまでもない。
(2016/5/4 05:00)