[ オピニオン ]
(2016/5/11 05:00)
鉄鋼業界で、企業内保育所の整備を進める動きが出ている。女性の雇用が増加したことだけでなく、夜勤現場への女性の進出に伴って24時間保育が可能な託児施設が必要になっているためだ。この一部では社員以外の地域の子供を受け入れ、社会貢献の意味を持たせている。女性活躍の推進のためには、企業内保育所の増設や地域への開放が重要な要素となる。より多くの企業が検討すべきだ。
新日鉄住金は今春、大分製鉄所(大分市)の正門脇に保育所を開業した。社員の希望者があり次第、24時間対応保育の体制に移行する予定という。
またJFEスチールは来春、東日本製鉄所千葉地区(千葉市中央区)独身寮跡地にできる商業施設内に自前の保育所の開設を計画している。ここで深夜保育の導入も検討するそうだ。
同時に両社とも、社員以外の地域の子どもの受け入れ枠を設ける。自治体による待機児童問題の解消が順調に進んでいない中にあって、大きな社会貢献になるだろう。
女性の活躍推進は安倍晋三政権の重要施策である。国内の労働人口は大幅な減少が避けられず、一方で移民受け入れの議論が深まらない中にあって、潜在的な労働力である女性の社会進出を促すのが当然だ。
子育ては現実問題として、母親に負担が片寄りがちになる。女性の社会進出を促すには、保育園の枠の拡大が最も合理的だ。乳幼児を抱えた若い夫婦が保育園を探す活動、いわゆる”保活“のために引っ越したり、時には転職を迫られたりするような現状では、安心できる就労環境は生まれまい。
行政の足らざる部分を企業に求めるのは適切ではない。ただ地域社会の一員という意味で、企業もなんらかの貢献を検討すべきだ。例えば大企業には自前の病院があり、夜勤の看護師を対象に24時間院内保育所を運営しているところが少なくない。その一部でも開放できないか。
企業内保育所は鉄鋼業界に限らない。それぞれの業界や企業が、実情に合わせた貢献策を考えてもらいたい。
(2016/5/11 05:00)
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