[ オピニオン ]
(2016/7/26 05:00)
字面だけではなかなか読めない、いわゆる難読名は全国にあるが沖縄はその話題に事欠かない。例えば「仲村渠」。“なかむら〇〇”さんというフルネームではなく、県南部の地名であり姓だ。正解は「なかんだかり」。
さらに「勢理客=じっちゃく」「保栄茂=びん」「金武=きん」など挙げればきりがない。こうした知らない名前に出会うと楽しくもあるし、実際に知人ができれば覚える。しかし困ったことに“同名異音”が少なくない。
平良は「たいら」と読む。ところが宮古島の地名は「ひらら」。新城は「しんじょう」「あらしろ」だけでなく「あらぐすく」と読む地域もある。島袋が「しまぶく」の場合も。地名ならともかく姓の読み違いは失礼になるため、確認が鉄則になる。
氏名ばかりに注意していたら、英語の表記に足をすくわれた。企業名などに多い「琉球」。ほとんどの場合は「Ryukyu」だが、例外がある。琉球大学と琉球銀行は「〜of the Ryukyus」と複数形の「s」をつける。
琉球大学長の大城肇さんによれば「琉球諸島の島々の大学、との意味が創設時に込められた」のだとか。名前には思いや歴史がこもる。その難しさが奥深さでもある。
(2016/7/26 05:00)