- トップ
- エレクトロニクスニュース
- 記事詳細
[ エレクトロニクス ]
(2016/8/8 05:00)
シャープは2017年内に始める有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)ディスプレーパネル製造の前工程を三重工場(三重県多気市)で行う方針を固めた。18年に計画する本格量産は、亀山工場(三重県亀山市)の活用を検討している。同社は台湾・鴻海精密工業による買収が中国政府による独占禁止法の審査待ちで完了できず、協業を始められない状態。17年にも米アップルが発売する新型スマートフォンへの採用を目指し、独自に量産準備を進める。
シャープは17年内に、鴻海と共同運営する大型液晶工場「堺ディスプレイプロダクト」(SDP、堺市堺区)で有機ELパネルの少量生産を始める計画。三重工場で有機ELパネル製造の前工程である回路基板を生産し、SDPでパネルに仕上げる。
三重工場の回路基板生産能力はスマホ用パネル換算で月60万枚程度。本格量産時は、大きいサイズのガラス基板を使うため、亀山工場を活用する見通しだ。ただ、亀山工場は液晶パネル製造も継続するため本格量産時は鴻海グループの工場を活用する可能性もある。
米アップル向けで競合するサムスン電子、LGディスプレイの韓国2社とジャパンディスプレイは有機EL量産計画を進行中。一方、シャープは折り曲げ可能な有機ELパネル「フォルダブルOLED=写真」などの試作を、鴻海はSDP内にディスプレーパネル研究開発子会社の人員を移すなど、それぞれ事業化の準備を進めている。
(2016/8/8 05:00)