[ オピニオン ]
(2016/8/9 05:00)
夏休みの旅行シーズンで、海も山もにぎわっている。京都も例年以上の人出だ。洛中洛外の観光スポットには国内外から人、人、人。
仕事の移動で祇園を横切る。神社仏閣に料亭、京都最大の花街に芸舞妓(まいこ)、土産物屋と、すべての観光要素が集まる最強スポットだ。皆がスマートフォンを構えて記念撮影かと思いきや、正体は話題の「ポケモンGO」。
京都市内でも祇園は“レア・ポケモン”が獲得しやすいスポットだという情報がネットで飛び交っているとか。祇園を散策するのに観光に興味がないとは、なんとも不思議。
同じスマホ片手でも別の一団がいる。地図を確認しつつ朱印帳を抱えて歩く「御朱印ガール」。神仏との縁の証として朱印を頂く。京都は屈指の朱印スポットだ。普通は墨痕に朱の印だが、祇園に近い六道珍皇寺では精霊迎えの六道まいりの時期に、紺紙金泥の金朱印という“レア朱印”を授与する。
ポケモンも朱印も自分の足で現地を訪れて目的のものを集め、満足する。しかしその前に確認してほしい。参詣の意思なく社寺に立ち入ったり、記念スタンプのように朱印を扱ったりしていないか。一人前のポケモントレーナーや御朱印ガールになるにも、節度と礼儀が必要だ。
(2016/8/9 05:00)