[ ロボット ]
(2016/9/14 05:00)
【名古屋】名古屋工業大学の佐野明人教授と今仙電機製作所は、重い荷物の運搬時に歩行を補助する器具(写真)を共同で開発する。登山の背負子のように背負って装着し、バネの力と振り子の原理を用いた独自機構により、モーターなど動力を使わずに可動する。2017年3月までに実証実験を始め「スーパーアクシブ」の名称で市販を目指す。
福祉分野向け無動力歩行支援機「アクシブ」で採用している技術を用いた。アクシブは子会社で福祉機器を製造する今仙技術研究所(岐阜県各務原市)が名古屋工大と開発した。
アクシブは足の振り出しを補助するバネを使った特殊な機構を一つ使うが、今回は四つ使って歩行の補助機能を高めた。バネの強さは任意に設定できる。機構から伸びた支柱を太ももで固定し、足を持ち上げる動きを補助する。重さは約4キログラム。
電気を使わないため充電が不要。雨に打たれても感電などの心配がなく、屋外や山間部での利用を見込む。アクシブの生産ラインを活用できるため、量産時は最小限の設備投資で済む。電力インフラが整備されていない国や地域、環境への意識が高まる欧州などでの展開も視野に入れる。
今仙電機製作所は自動車のシートアジャスターなど骨格機構部品が主力。子会社の今仙技術研究所は、一般の福祉機器のほか、ミズノと共同で炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の短距離走用義足板バネなど競技用義足も開発する。
(2016/9/14 05:00)