[ オピニオン ]
(2016/9/14 05:00)
福岡県みやま市が立ち上げた地域電力会社の「みやまスマートエネルギー」の家庭向け契約が約450件になった。世帯数で計算すると同市の3%強が購入先を変えたことになる。
4月の電力小売り自由化後の全国の変更率は、法人向けを含めても2・6%。九州地区が1・3%にとどまることを考えると、この率はかなり高いといえる。
地域電力会社は市民が屋根や庭先の太陽光発電で作った電力の余剰分を売る。地域のエネルギー資源を地域に還元する事業で、みやま市はこの先駆者だ。電力の購入者には水道料金の割引もあり、市民から支持されている。
『里山資本主義』(角川書店)では地元の森林で建材を作り、残材を発電やストーブの燃料にする岡山県真庭市の取り組みを紹介している。市外への電気代や灯油代の支払いが減り、富が市内で循環する。執筆陣は「地方の自立に向けた21世紀の革命」とたたえた。
新潟県の泉田裕彦知事が、10月の知事選への不出馬を表明した。県内にある世界最大級の原子力発電所の防災を争点にするはずだったが、撤退によって立候補予定者は1人になり、無投票の恐れすらある。地域を活性化するためのエネルギー革命を訴える候補者が出てきてほしい。
(2016/9/14 05:00)