[ オピニオン ]
(2016/9/29 05:00)
10月3日から始まるNHKの連続テレビ小説『べっぴんさん』。モデルは皇室御用達の子供服メーカーとしても知られるファミリア(神戸市中央区)創業者の1人、坂野惇子さんだ。戦後の神戸を舞台に、仲間と力を合わせて母と子のための子供服づくりにまい進する物語。
坂野さんの孫でファミリア社長の岡崎忠彦さんが「神戸別品博覧会」と称する事業を立ち上げた。“別品”とは「特別に良い品」の意。地元を中心とする企業とクリエーターが連携し、衣食住関連の新商品を開発するのが狙い。
この考えに地元の有力経営者が賛同する。通信販売大手・フェリシモ社長の矢崎和彦さんも、その1人。「神戸の未来を創りたいという彼の情熱に動かされた」という。
「今の神戸には昔の輝きがなくなっているように感じる」と岡崎さん。開発した別品は、一棟借りした商業ビルなどで販売する。人が恒常的に集まる仕掛けを作りたいという。
「べっぴん」つながりの朝ドラ放映は、まさに絶好のタイミング。関連イベントへの追い風も期待できる。ただ別品博の関係者は「一過性の事業にはしない」と口をそろえる。神戸発で数多くのヒット商品を生み出せば、自然に人を呼ぶ力が備わるはずだ。
(2016/9/29 05:00)