[ オピニオン ]
(2016/9/30 05:00)
読者諸兄姉の職場のクールビズは、いつまでだろうか。今年、環境省が定めた期間はきょうまで。2005年に公募で命名されたが、旗振り役を務めたのが当時の小池百合子環境相だったことを覚えている方も多いだろう。同年の新語・流行語大賞でトップ10入りした。
11年には東日本大震災に伴う原子力発電所の停止で電力需給が逼迫(ひっぱく)し、多くの企業が5―10月に前後1カ月ずつ延長した。16年は9月までに短縮するケースも多いが、趣旨はすっかり国民に浸透した。
一方、15年6月に安倍晋三首相が提唱した「クールチョイス」。語感は似ているが、クールビズの上位概念だ。低炭素社会を実現するため、あらゆる“賢い選択”を促す新国民運動という位置づけだが定着は今ひとつ。
内閣府が7月末から8月上旬にかけて実施した「地球温暖化対策に関する世論調査」によると認知度は3割未満。クールビズのスタートダッシュとは対照的に出遅れた。
温室効果ガスの日本の削減目標は13年度比26%減。省エネで先行する産業部門や運輸部門に家庭・業務部門が追いつく必要がある。国民の意識とライフスタイルを変革しなければ達成できない。服装だけでなく知恵と行動で「クール」に挑みたい。
(2016/9/30 05:00)