[ オピニオン ]
(2016/10/7 05:00)
今年の東京は、夏の猛暑が終わる間もなく台風が相次いで襲来。さわやかな初秋の季節感を楽しめた日も数えるほどだった。風水害に苦しまれた地方の方には申し訳ないが、秋の長雨が抜けた後には広い空を仰ぎに出かけてみたくもなる。
信州・蓼科高原の魅力を都市住民に発信している一般社団法人「蓼科塾」は長野県茅野市と共同で、食と癒やしをテーマにした初のイベント「ビジンサマ・マルシェ」を、9日に開催する。会場は、山腹にある蓼科湖畔の蓼科高原芸術の森彫刻公園。
「ビジンサマ」とは美しい女性の化身というわけではなく、蓼科山に棲(す)む神様の名。同市でもあまり知られていない古い話を発掘した。ビジンサマが山を通る日には仕事を休むという言い伝えがあるのだそうだ。
蓼科は高原別荘地として知られるが、同じ長野県内の軽井沢に比べると、どうしても二番手的なイメージがつきまとう。近年は相続などに伴い、別荘を訪れる人も減少傾向。市役所は、この活性化を課題にしている。
周辺の自然の恵みを生かした安心・安全な「食」を核とした地域おこしは、似たような問題を抱える市町村にも参考になるだろう。都会人が、心身のデトックスを試みるのも悪くない。
(2016/10/7 05:00)