[ オピニオン ]
(2016/10/10 05:00)
夏休みの自由研究の展示会を見に行った。市がよりすぐった小中学生の手作りの作品がずらりと並んでいる。昆虫採集や植物標本は、昔も今も変わらない。時節柄か、五輪に絡めた作品も散見された。
時代の変化をひしひしと感じたのは、環境問題や最新技術に関連した作品が多かったことだ。石突に太陽電池、柄の部分に扇風機をつけた日傘は、自然エネルギーで涼もうという発想。工事中のリニア中央新幹線に触発されたのだろう。ネオジム磁石を使ったリニアモーターカーも何点か。
ひときわ目を引いたのは、市内にある沼を中心にしたエコシティーの模型。水際に大規模太陽光発電所や水力・風力の発電機を設置し、街の周囲に牧場や動物園を配する。
太陽電池は本物で、粘土のウサギや牛が戯れる。なかなか手の込んだ作品だ。今の子どもたちは、こんな自然共生型の街を望んでいるのかと感心させられた。
自由研究はその名の通り、テーマが自由だからこそ何から手をつければいいか分からない。子供時代には、ずいぶん苦しんだ記憶がある。ただ自由だからこそユニークな発想が育まれるともいえる。時代を反映した作品の鑑賞を楽しめたのは、自分の宿題ではなかったせいだろう。
(2016/10/10 05:00)