(2016/10/19 00:00)
サービスロボの活用支援
日立システムズはコミュニケーション型ロボット、装着型ロボット、ドローンなど3分野のサービスロボットを対象とした「ロボティクスサポートサービス」を展開している。2016年8月からは「Pepper for Biz」のライセンス販売も始めた。企画の相談からアプリケーション開発、顧客の教育、研修を含む運用までロボット活用の全てを一貫してワンストップでサポートする。
3分野で展開
日立システムズの「ロボティクスサポートサービス」の引き合いが好調だ。ビジネスでサービスロボットを活用する場合、従来は企画の検討やロボットの選定、アプリケーション開発、運用などは自社で行うか、もしくはそれぞれの専門ベンターに委ねるしか方法がなかった。これに対し、ロボットの導入から運用まで、顧客の立場に立ってワンストップで支援するのが同サービスの最大の特徴である。ロボットを活用したくても、「何をすべきかわからない」「費用対効果が読めない」という企業は意外に多いが、これらの企業が待ち望んでいたサービスと言っても過言でなさそうだ。
同社では支援対象であるサービスロボットを、受け付けや接客を行う「コミュニケーション型ロボット」、介護などの重労働を支援する「装着型ロボット」、空撮に便利な「ドローン」の三つのカテゴリーに分類。それぞれの分野でサービスの専門性を高める一方、多言語対応のコンタクトセンターや全国約300カ所のサービス拠点など同社のサービスインフラを使って顧客のロボット活用を支援する。
開発や運用に特徴
「サービスロボットの活用は他の情報系システムなどとは違い、顧客側で要件定義がなされていないことが多い。まずはイメージを形にすることに力を注いでいる」と同社。
機種選定後のアプリケーション開発や運用にも特徴がある。例えば、感情機能を搭載した人型のロボットの「Pepper for Biz」を店舗の接客に活用する場合、顧客一人ひとりを認識して接客を行うアプリケーションを組み込むとともに、店舗スタッフへの操作説明や問い合わせ対応、アプリケーションの定期的な改修、故障発生時の予備機の配送・交換なども行っている。もともと同社ではPepperの運用サポートを全国に提供しており、そのノウハウを生かした専用の輸送箱「リユースコンテナ」も開発している。
同社では社内をはじめ、日立グループ各社や約20社のソフトウエア開発会社とパートナーシップを組み、アプリケーションの品ぞろえや専門性の向上に努めている。
より深く貢献
同社ではコミュニケーション型ロボットを開発方法と機能で四つのフェーズに分けて捉えている。第1フェーズは「お仕事簡単生成」ツールを使い、受け付けや接客を行うロボット。第2フェーズは「コレグラフ」という専門ツールを使い、製品紹介やプレゼンテーションを行うロボット。第3フェーズはコレグラフに加えC言語などの言語を開発に使い、個別業務アプリケーションを搭載したロボット。そして第4フェーズは「AI連携」を行い、音声認識分析をはじめ収集したデータを幅広く活用するフェーズである。同社担当者は「現状はフェーズ1や2の案件がほとんど。今後はフェーズ3以降に向けてパッケージやクラウド連携を強化する考え。基幹システムやビッグデータ分析システムと連携させ、より顧客のビジネスに深く貢献できるようにつなげたい」と話す。
このほか、装着型ロボットやドローンでも独自のビジネスを展開中だ。安全を守るための厳格な運用基準を策定し、他のロボットビジネスと同様、日立システムズのサービスインフラや技術ノウハウを活用して、顧客の利便性の向上に寄与していく。
(2016/10/19 00:00)