[ オピニオン ]
(2016/10/19 05:00)
「小叮当」「機器猫」「哆啦A夢」―。いずれも人気のマンガ・アニメーション作品『ドラえもん』を指す中国語だ。時代によって変遷があり、前の二つはキャラクターの風貌や特徴から中国で命名された。
最新の呼称である「哆啦A夢」は映画『スタンドバイミー・ドラえもん』をきっかけに日本語の発音を中国語に写したもの。ドラえもんという言葉の響きを変えないで欲しい、という原作者の藤子・F・不二雄氏の意志も反映したという。
映画は2015年に公開。日本円換算で興行収入105億円を記録し、中国でのアニメ映画の最大のヒット作となった。以降、現地では年齢や性別を問わず、幅広く親しまれているという。
これにあやかったのが、9月からドラえもんの特別塗装機を中国路線に導入した日本航空。運航開始前の報道公開には同国メディアが多数訪れた。終了後も記者らが自分のスマートフォンで喜々として機材を撮影する姿に、その威力を垣間見た。
日本と中国の間には歴史認識や尖閣問題がくすぶる。両国関係を劇的に改善する“ひみつ道具”はないにしても、日中間の橋渡しとして共通言語になりつつあるドラえもんに、もっと助けてもらってもいいかもしれない。
(2016/10/19 05:00)