[ 機械 ]
(2016/11/22 05:00)
DMG森精機は2017年度に残業の撤廃を目指す。月間平均10時間超の残業時間を、IoT(モノのインターネット)を活用した工作機械の顧客サービス導入や勤務シフトの見直し、製品や構成部品の統廃合などで仕事の効率を高めてゼロにする。有給休暇の完全取得も16年度に達成する見通しだ。
工作機械業界は受注変動や属人的な業務などで、全社的な仕事の平準化が進みにくい。政府が働き方改革に乗り出す中、残業ゼロを実現できれば業界のモデルになりそうだ。
DMG森精機の日本の事業所を対象に取り組む。すでに残業時間を減らしてきており、16年は月間平均10時間超。有給休暇取得は約3700人の全社員のうち、約60人が年間2日ほど実施すれば全員が完全取得となる見通しだ。
例えば、IoTで顧客の機械の状態を把握するサービスを導入すれば、遠隔で的確に保全業務ができるだけでなく、出張の負担も軽減できると見込む。また独DMG MORIの一体化などに合わせ、機種統合や製品ユニットのモジュール化を進めている。これによって、設計、生産の効率を高めれば、労働時間を削減できると想定している。
今後は、作業効率化に向けたIT投資も増やす方針。女性エンジニアの活躍も進める。
安倍晋三首相は、働き方改革を一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジと位置付けており、企業側も改革に動く。伊藤忠商事は20時以降の残業を原則禁止する制度の導入などで一定の成果を上げている。日本電産も事務機器への投資などで20年に残業ゼロを目指す方針を表明した。
(2016/11/22 05:00)