[ オピニオン ]
(2016/11/22 05:00)
飲食店の省人化も進んでいる。自動販売機で事前にメニューを選び、食券を買うシステムの店に入った。
ところが、前の客がまごまご。どうやら外国人観光客のようで、使い方に戸惑っていた。英会話はからっきしで、特にヒアリングは苦手だが、できれば代わって操作してあげられないかと話しかけた。
画面を見ると、表示が英語表記に変わってはいたものの、肝心の精算ボタンが日本語のまま。これではまごつくのも当然だ。幸い何に困っているか一目瞭然だったので、相手の言葉を聞き取れないまま、何とかお役に立つことができた。
都市の魅力やビジネス環境のランキングで、東京はそれなりの順位にいる。ただ上位の都市に劣る要因の一つは、英語が通じにくいことだとか。外国人観光客が急増し、4年後には東京五輪・パラリンピックも開かれるが、あの券売機の“和洋折衷”画面ではとても「おもてなし」などと言って誇れない。
さて外国人客の注文を無事、精算したところで自分の食券を購入しようと思いきや、これが大変。画面上にボタンがたくさんあって日本語表記でも操作に難儀した。機械の苦手な高齢者でも注文しやすい「おもてなし」の環境を整える方が先かもしれない。
(2016/11/22 05:00)