[ オピニオン ]
(2016/12/13 05:00)
出張でベルギー北西部のブルージュ(ブルッヘ)という小さな街に立ち寄った。美しい運河があり「北のベネチア」と呼ばれる観光地だ。日程に余裕がないので、到着した日曜日の午後、街に出てみた。
商店はほとんど閉まり、目抜き通りですら人を見かけない。観光どころか土産物の買い物もままならず、とぼとぼとホテルに戻るはめになった。
キリスト教の根づいた欧州諸国は、いまだに日曜定休と聞いてはいた。パリやロンドンのような大都市なら休日でもにぎやかなのだが、地方都市はかくも静まりかえるのかと驚いた。サービス業の深夜・休日営業が普通で、むしろ週末は書き入れ時という日本の感覚とはズレがある。
ファミリーレストランの「ロイヤルホスト」を運営するロイヤルホールディングスが店舗の24時間営業を2017年1月までに廃止するという。背景には人手不足があり、今後は外食業界で追随する動きが出てくるかも知れない。
ブルージュでの貴重な自由時間をホテルで過ごしながら、日本も昔は日曜定休が一般的で、街が静かだったことを思い出した。常に店やレストランが営業しているのは便利だが、最近ではなかなか味わえない静かな休日も新鮮で、悪くなかった。
(2016/12/13 05:00)