[ 機械 ]
(2016/12/26 05:00)
【静岡】エイディーディー(静岡県沼津市、下田一喜社長、055・943・6371)は、ダイヤモンド100%の厚膜を高速合成する技術にめどをつけた。ダイヤモンド電極などを形成する場合のベース(土台)となる円形の厚板を、直径200ミリメートル、厚さ1ミリメートルで、従来比25―100倍に高速化したほか、生産コストを大幅に引き下げることができるのが特徴。2019年3月までの実用化を目指す。
ダイヤモンド厚膜の高速合成技術は、エイディーディーが沼津工業高等専門学校の新冨雅仁准教授と共同で取り組んだ。新冨准教授の高速合成理論を応用し、同社ノウハウを加えて完成させた。
ダイヤモンド合成は炭化ケイ素(SiC)製などの薄い板の上に堆積させる。この板上で合成すると、同じダイヤモンドではないため、はがれやすいなどの課題があった。
また、ダイヤモンド製の土台を用いると、結晶の品質向上が期待できるが、直径200ミリメートル、厚さ1ミリメートルのダイヤモンド厚板を作成しようとすると、500―1000時間程度が必要となるという。これに対して同社は、同サイズのダイヤ厚板を10―20時間程度で作成できる技術を確立。
耐久性などの課題を解消するとともに、作成時間が短いため生産コストを大幅に引き下げられるという。
今後、量産に向けた作成技術の確立と、より効率的に作成するための条件設定などを詰める計画。ダイヤモンド電極や耐熱ガラスの金型など広い用途を見込んでいる。
(2016/12/26 05:00)