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[ エレクトロニクス ]
(2017/1/4 05:00)
【米ラスベガス=錦織承平】パナソニックは2017年内に米国で次世代交通システムの実証実験を始める。デンバー国際空港(コロラド州)周辺のスマートシティー(次世代環境都市)開発計画の一環。車と歩行者、インフラ設備を無線で結び、車車間、歩車間、路車間の相互通信システム「V2X」を実証。自動集荷・配送車や無人バスなどの自動運転車の導入に活用する。自動運転で先行する米国で実証を進め、現地での事業拡大につなげる。
パナソニックは歩車間通信システムとして、車に搭載する無線通信端末と、歩行者の位置を測って無線送信する技術を開発した。見通しの悪い交差点でも歩行者が道路を渡る数メートル手前で車の運転手に警告を鳴らす。
また、交差点付近の信号柱などに設置したレーダーで広範囲の歩行者と車の動きを個別に検知して警告を送るインフラ用装置も開発した。これらを使えばスマートシティー内で無人バスを走らせたり、システムが交差点周辺の交通事故リスクの低減や交通渋滞の緩和に役立つかを検証できる。市域の入り口にゲート状の装置を設け、外部から入ってくる車と安全装備などを認識する仕組みも検討する。
デンバー市は国際空港周辺で次世代都市開発計画を進めている。パナソニックも16年から、エネルギー設備やスマートホームなどで参画している。
パナソニックは電池や運転支援システムなどの販売を拡大し、車載事業の18年度売上高を15年度比7000億円増の2兆円に増やす計画。国内でも17年春に本社・西門真地区(大阪府門真市)で小型電気自動車(EV)の完全自動運転の実証実験を始める。また企業や自治体向けのシステムでは北米を最大市場と位置付け、現地主導の運営体制を敷いて事業開発を進めている。
(2017/1/4 05:00)