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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/1/5 05:00)
【米ラスベガス=杉本要、同=錦織承平】自動運転車や「つながる車」の開発をめぐり、自動車産業とIT・電機産業の合従連衡が加速する。欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は米グーグル系と協業。米クアルコムやパナソニックは車載関連事業を成長分野の一つに据える。「家電化」する自動車の将来を制す主導権争いが業界を越えて激化している。
「車はすべてにつながる」。米ラスベガスで5日(現地時間)に開幕する世界最大の家電見本市「CES」に先駆けた記者会見で、クアルコムのパトリック・リトル上級副社長は、車載半導体分野を強化すると表明した。2016年に買収を決めた蘭NXPセミコンダクターズとのシナジーで車載分野を拡大する。
FCAはミニバン型の電気自動車(EV)で、スマートフォンと車載機器を連携させる新コンセプト車を公開した。FCAUS(旧クライスラー)のデザイン担当者は「車を人生のハブ(結節点)にする」と説明。2日には車内の情報端末にグーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を採用するなど、グーグルと自動運転での連携強化を発表した。
トヨタ自動車と米フォード・モーターは、車載システムとスマートフォンをつなぐ技術の業界標準化を進める団体「スマートデバイスリンクコンソーシアム」の設立を正式発表した。マツダ、スズキ、富士重工業のほか、仏プジョーシトロエン(PSA)、欧州部品メーカーが参加する。
自動車開発の競争軸は車載システムや電池などに移っている。自動車メーカーは内燃機関の高度化や排ガス浄化対策に加え、電動化や自動運転に対応しなくてはならず単独で全てを網羅するのは難しい。IT・電機大手はこれを商機とみる。
日本勢ではパナソニックが17年内に米コロラド州で、自動運転の導入に向けた実証実験を始める。三菱電機も運転手の心拍数などから行動を先読みするシステムを開発し、欧州車メーカーなどに納入し始めるなど事業を拡大している。
(2017/1/5 05:00)