[ オピニオン ]
(2017/1/9 05:00)
経営者は常に前向きでポジティブだ。新春恒例の賀詞交歓会で景気の先行きをお聞きしたところ、返ってきたのは一様に明るい声だった。
世界経済は先行きの不透明感を増していると多くのエコノミストは分析する。「確かにそうだけどね、今の景気は悪くないよ。まず米国がいい。欧州もそこそこ。日本もまあまあだ。悲観しすぎは良くない」と新日鉄住金名誉会長の今井敬さん。
円安基調に加えてエネルギー価格が上昇。輸入物価の高騰が懸念される。「石油業界としてはそうだけどね、日本は輸出で稼ぐんだから円安は歓迎だよ」とJXホールディングス相談役の渡文明さん。
経団連会長の榊原定征さんは「日本は追い風の中で回復を加速したい。世界経済はインフレ傾向が強く、日本がデフレ脱却できる可能性が高まった」と強調する。
「米国のトランプ新政権が景気対策を打つ。しばらくは拡大基調が続くだろう」とは、財界きっての論客・日本商工会議所会頭の三村明夫さんの分析。もっとも「与えられた時間はせいぜい2年間。その先のことは分からない」という。「だから、それまでに構造改革とイノベーションを急がないと…」というのが、目下の企業トップの共通認識のようだ。
(2017/1/9 05:00)