[ オピニオン ]
(2017/2/3 05:00)
中小企業の地球温暖化対策を推進するには、地域や業種・規模別の細やかな支援が必要だ。
日本商工会議所は各地の商工会議所を通じて、2016年9―11月時点の中小企業の対策実態を調べた。関東・関西以外の回答が約6割あり、全国の中小企業の現状を映したものだ。
結果を見ると、省エネ担当者を置いている割合は4割ほどだった。大企業では環境対応の専門部署を設けるのが当然だが、中小企業は人的資源を割けていない。回答した801社のうち資本金1000万円以下、従業員20人以下が半数を占めることを考えると、やむを得ないともいえよう。
しかし何らかの省エネに取り組む企業は77%あった。具体的には「照明の消灯・間引き」「空調の温度管理」「社員への呼びかけ」といった投資を伴わない活動と、LED照明の導入など効果のわかりやすい施策が多かった。また規模が大きく、大都市にある企業ほど熱心に取り組んでいるという。
環境対策に着手していない企業の理由では「具体的内容・方法の理解不足」が最も多かった。地方に立地する企業ほど情報に接する機会が少なく、地域による“省エネ格差”が生まれている実態がうかがえる。
日商はこの調査を受けて、中小企業一律ではなく、対策の実施状況や業種・規模に応じた支援を提言している。特に対策未実施の企業には「省エネがコスト削減につながる仕組みであると具体例を示してわかりやすく解説する」ことが必要だという。同時に政府に対しても、分かりやすい説明資料の配布、規模・業種別の事例紹介、省エネ診断の提供を求めた。
意外なことに、日商がこうした調査をするのは初めてだという。中小企業は企業数の99・7%、雇用の7割を担っており、その取り組みの成否は温暖化対策を左右する。
温室効果ガス排出削減の国際ルール「パリ協定」が発効し、国はさまざまな温暖化対策を検討している。中小企業に対しても、実態に応じた省エネの支援策を考えてもらいたい。
(2017/2/3 05:00)
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