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[ 科学技術・大学 ]
(2017/2/8 05:00)
東京工業大学科学技術創成研究院未来産業技術研究所の西沢望特任助教、宗片比呂夫教授らは、光の波の振動面(偏光面)が、らせん状に回転しながら進む光である円偏光を室温で発する「スピン発光ダイオード」(スピンLED)を世界で初めて開発した。生命科学や暗号通信など、多分野での応用が期待できる。米科学アカデミー紀要(PNAS)電子版に掲載された。
スピンLEDは、電流が小さいと偏光は起きないが、電流を大きくすると発光強度とともに円偏光の純度が上がる仕組み。室温における円偏光発光の障害となっていた、半導体と磁性体金属との接合面で起こる非磁性物質の生成反応を抑えたことで実現した。
スピンLEDの中間層に独自開発の結晶性アルミナを導入することにより、大電流を流しても接合面の化学変化を抑え込むことに成功した。
将来、スピンLEDを小型化・集積化することより、内視鏡に組み込んでがん細胞を検出したり、特殊な暗号通信の伝送光に利用したりなど、多様な分野において新たな光源として応用できる。
(2017/2/8 05:00)
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