[ オピニオン ]
(2017/2/22 05:00)
マイカーを修理に出している間に、代車として10年以上前の型式の軽自動車を借りた。運転していて、自分の技能が下がっていることに気づいた。
代車にはバックモニターがない。いつもモニター画面を見ながら駐車場に入れていたが、ミラーと目視だけでは、かなり苦戦した。免許取得時の運転教習では決して不得手でなかったはずなのに。
モニターカメラひとつで、この結果だ。今注目されている高度運転支援や自動運転技術を使うなら、なおさらではないか。すでに車線維持支援、アダプティブ・クルーズ・コントロールなどさまざまな技術が実用化されている。
ドライバーを手厚く支援したり快適にしたりするほど、必要なくなった運転技能を忘れていくのだろう。使い慣れた支援機能が突然、故障した時に安全運転を続けるのは難しい。自動変速機搭載車の限定免許のように、なんらかの制約をつけることも考えるべきか。
高度運転支援や自動運転は、交通事故や渋滞を減らす大きな社会的メリットがある。ただ未来の交通社会を思い描くためには、易きに流れがちな人間心理も考慮する必要があるだろう。マイカーが戻ってきたら、時にはバックモニターに頼らずに駐車を心掛けよう。
(2017/2/22 05:00)