復興する福島―東日本大震災から６年（１）中小、深刻な人手不足

産業復活へ奮闘続く―「企業から動かないと」

７万９４４６人―。東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う福島県の避難者は、ピーク時（２０１２年５月）の半数以下となった。ただ、県外避難者の帰還数は伸び悩んでおり、地元産業には労働力不足という問題が横たわる。停滞感を打破するため、政府や自治体は再生可能エネルギーやロボットなど先端産業の集積を人材流入の呼び水に掲げる。震災からまもなく６年。福島は復興の現実と成長の間で揺れる。

【人が来ない】

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  福島県内では復興は着実に進む（相馬市湾岸部で工事中のＬＮＧ関連設備）

「募集をいくらかけても人が来ない」。産業機械製造が主力の興洋（福島県いわき市）の高村正和社長は天を仰ぐ。団塊世代の退職を間近に控えた時期に震災が襲った。「今が世代交代の最後のチャンス。早急に若手を入れて教育しないと」と危機感を募らせる。

福島県の１４年の製造品出荷額は５...