[ オピニオン ]
(2017/3/1 05:00)
政策資源を集中し、民間投資で地域の“稼ぐ力”を活性化する好循環を生み出したい。
政府は2月28日、地域未来投資促進法案を閣議決定した。今通常国会での成立を目指す。企業集積を図る地方自治体の支援を目的とした企業立地促進法を抜本的に改正するもの。主に製造業に主眼を置いた従来の支援を見直し、観光やサービス業など非製造業にも配慮した。
国の基本方針に沿う形で自治体が基本計画を策定。企業などの申請を承認した上で支援措置を講ずる。先進的な設備投資の減税措置を復活すると同時に、自治体の税の減免分を国が補填(ほてん)する仕組み。また地域経済をリードする事業には地方創生推進交付金などの補助金を受けやすくする。
さらに企業が自治体に対し、事業に関連したデータの提供や規制改革などを求められる新制度を創設する。並行して地域経済活性化支援機構(REVIC)を通じたリスクマネーの供給を促進。新法案を推進してきた経済産業省は、これらを核として地域経済活性化のカンフル剤にする考えだ。
従来の企業立地促進法では2007年以降、合計約6000件が承認を受けた。多くの新規雇用を生み出し、産業集積に一定の成果を上げたが、未来投資促進法でこのペースを上げ、施行後3年間で約2000件の承認を見込む。
景気が必ずしも悪くないにもかかわらず、企業の設備投資は停滞し、リーマン・ショック前の水準に届かない。経産省はこれを「地域経済を支えてきた製造業では地域での新規立地の低迷、非製造業では大都市圏にビジネスと投資が集中した」結果と分析している。
新法では航空機、バイオ産業などの「先端ものづくり」をはじめ「農林水産・地域商社」「第四次産業革命」「観光・スポーツ・文化・まちづくり」「ヘルスケア・教育サービス」の5分野で、地方への民間の投資を促す。これにより日本経済の足腰の強化を狙う。地域の産学官がしっかりと手を組み、実効性を確保してもらいたい。
(2017/3/1 05:00)
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