[ オピニオン ]
(2017/3/6 05:00)
2018年新卒者の就職活動が本格的に始まった。経団連は昨年と同様のスケジュールを定め、企業は3月から会社説明会などの採用情報提供を開始。6月に選考活動が解禁される。
とはいえ今年、就活時期を迎えた家族を横目で見ていると、実際には年明けあたりから動きだしている。すでに個人面談もしているようだ。経団連に加盟していない中堅・中小企業や外資系企業は、就職協定に拘束されない。
中堅・中小は早くから動いても、後で大手に人材をとられてしまうことを恐れている。人手不足が深刻な問題となっている昨今、新卒者の確保のために悠長に構えていられない事情も理解できる。昨年は優良中堅企業による“囲い込み”が目立った。
採用も企業間の競争である以上、すべてを満足させる協定は不可能だと分かっている。選考時期にしても、大幅に解禁を繰り下げた15年には就職戦線が大混乱し、大手の人事部長ですら「ルールを守りたくても守れない」と嘆いたほど。新ルールに変わって2年目の今年、制度定着が試される。
最低限必要なのは、採用される側にとって公正な競争が担保されること。学生たちには、天下りでポストをあっせんするような不正義をみせたくない。
(2017/3/6 05:00)