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[ 商社・流通・サービス ]
(2017/3/10 05:00)
アスクルは9日、埼玉県三芳町の物流倉庫「ASKUL Logi PARK 首都圏」(ALP首都圏)の火災事故について都内で記者会見を開き、個人向けネット通販「ロハコ」の配送遅延が当面続くことを明らかにした。代替倉庫を設けて配送の移管を進め、9月末の正常化を目指す。出火原因、業績への影響、社内処分は調査・検討中とした。アスクルの岩田彰一郎社長は「多大なご迷惑と心配をおかけしたことを深くおわび申し上げます」として陳謝した。
ALP首都圏はロハコの配送の62%を担っていた。現在は横浜と大阪の既存物流倉庫で代替配送しているが、カバーしきれないため9月までに3エリアに代替拠点を設ける。3月末までに埼玉県内に3カ所、東京都内に3カ所の物流倉庫を賃借。3つ目のエリアは未定だが、9月末までに賃借する。
焼損した物流拠点の再構築について岩田社長は「まだ機関決定していないが、個人的にはいち早く安心できるセンターを作っていきたい」と述べた。
業績への影響については、消防や警察による調査中のため、影響額を算出できないとした。
【インターリスク総研上席コンサルタント・吉村伸啓氏/進む省人化、課題浮き彫り】
今回の火災は大型化と省人化が進む物流倉庫における「教訓」になる。倉庫での防火の考え方は(1)火を出さないための安全対策(2)出火したときの事後対応−の二つ。可燃物が多い倉庫では初期消火が非常に重要だ。だが、省人化のために出火の発見が遅くなる傾向にある。火災感知器の警報が鳴って出火に気づくよりも、人が直接火を見て気づく方が対応は早い。省人化によって火災を検知する時間が長くなっており、気づいた時に慌てて消火器で消しても、既に火が回ってお手上げ状態になってしまう。出火時に早い段階で迅速に消火することが非常に重要だ。
また、焼損したアスクルの物流倉庫に一部ついていたスプリンクラーは、防火区画を設定する際の建築基準法を満たすために設置したようにもみえる。法律的にはクリアだが、火災リスクが高い物流倉庫だった可能性もある。スプリンクラーは一番信頼性が高いといわれている。
行政の基準任せではなく、防火設備を増やすなどの企業側の積極的な対策による予防が重要だ。
(2017/3/10 05:00)
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