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[ 科学技術・大学 ]
(2017/3/17 05:00)
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の窪木拓男教授らは、器官や臓器の基となる細胞の塊を作る技術を使い、イヌの歯の再生に成功した。再生歯の構造は、天然歯とほぼ同等。天然歯と同様に、矯正力により歯が移動することも確認した。すでにこの技術で、マウスの歯の再生にも成功している。大型動物のイヌでも再現できたことで、ヒトの歯の再生治療に応用できる可能性が広がった。
理化学研究所多細胞システム形成研究センターの辻孝チームリーダーらとの共同研究。成果は16日、英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
器官や臓器の基となる細胞の塊は「器官原基」という。歯の場合は「歯胚」と呼ばれる細胞の集まりが器官原基となる。研究チームは、この歯胚を再構築して移植用の再生歯胚を作製。ビーグル犬の顎の骨に移植し、歯を再生できるか試した。
生後30日のイヌから摘出した小臼歯の歯胚を基に、再生歯胚を作製。この再生歯胚を同じイヌの顎の骨に移植したところ、移植後180日で再生歯が口の中に現れた。
再生歯はエナメル質や象牙質、歯髄、歯周組織など、天然歯と同等の構造を備えていた。さらに矯正治療を想定して、再生歯に機械的な外力を加える実験を行った結果、矯正後30日で歯が移動することを確認できた。
(2017/3/17 05:00)