- トップ
- エレクトロニクスニュース
- 記事詳細
[ エレクトロニクス ]
(2017/4/3 05:00)
東芝が、11日に予定している2016年4―12月期連結決算の発表を延期する可能性が出てきた。延期すれば3回目となる。米原子力発電事業の巨額損失問題を巡り、監査法人が15年度以前の決算について調査する意向を示しており、期限までに承認を得られない公算が大きくなっているためだ。東芝への会計不信は深刻化しており、上場廃止のリスクも高まっている。
東芝幹部は11日の決算発表について「できない可能性が5割より高い。できない前提で準備する」と語った。
同社は米原発事業子会社ウエスチングハウス(WH)において内部統制に問題があった疑念が生じ調査が必要として、16年4―12月期連結決算の発表を当初計画の2月14日から2度にわたり延期した。
東芝の決算の監査は、16年度からPwCあらた監査法人が担っている。PwCあらたは米国でWHの内部統制問題に加え、担当前の15年度以前の決算にも巨額損失に関連する問題がないか調査する意向を示している。特にWHが原発建設会社の米CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)を買収した15年度の決算について疑問視している模様だ。
東芝は3月29日、WHが米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したのに伴い、同社を非連結化した。米原発事業に関するリスクを遮断し、監査法人が決算を承認しやすい環境を整えた格好。東芝幹部は「(3度目の延期を回避するために)当社ができることはやった」と話した。
(2017/4/3 05:00)