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(2017/4/19 05:00)
りそな中小企業振興財団と日刊工業新聞社は18日、「第29回中小企業優秀新技術・新製品賞」の贈賞式を東京・飯田橋のホテルグランドパレスで開いた。中小企業庁長官賞を受賞したナガセインテグレックス(岐阜県関市)の「超精密成形平面研削盤 SGC―630PREMIUM」をはじめ、一般、ソフトウエアの両部門で計37件を表彰した。
ナガセインテグレックスの長瀬幸泰社長は「企業は今日より明日、明日よりあさってと日々、技術の向上に取り組んでいる。日本を代表する先生方に審査されこのような賞をいただき、励みになる」と喜びを語った。来賓の宮本聡中小企業庁長官は「新技術で日本全体をけん引してほしい」と祝辞を述べた。
新井民夫審査委員長(東京大学名誉教授)は「たゆまぬ努力による高い技術力や、中小企業らしい興味深い工夫が評価された。モノとコトをつなげた、ユーザーを意識した開発が重要」と講評した。りそなホールディングスの東和浩社長は「付加価値の高い新技術を開発することが、モノづくりの発展には不可欠」と語った。
【喜びの声-世界の環境問題に役立てたい】
りそな中小企業振興財団と日刊工業新聞社は18日、「第29回中小企業優秀新技術・新製品賞」の贈賞式後、レセプションを開いた。会場では受賞者らが技術談議に花を咲かせた。
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一般部門で優秀賞を受賞したアドイン研究所(東京都千代田区)は、森林の樹木の本数や位置、直径などを計測し、3次元化するシステムを実用化している。佐々木浩二社長は「大変うれしい。日本や世界の環境問題に役立てたい」と笑顔をみせた。
西部技研(福岡県古賀市)はヒートポンプの排熱を利用する省エネルギー型の低露点除湿機を展開している。隈扶三郎社長は「受賞技術は有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)などの先端技術の開発現場でも活用できる。性能を上げて応用し、活用分野を広げたい」と抱負を語った。
湯山製作所(大阪府豊中市)は、粉薬(散薬)の調剤から分包までを全自動化したロボットで全国210台以上の納入実績を誇る。湯山裕之代表取締役は「新技術を使い、調剤業界の躍進のため社員一丸となって頑張りたい」と意気込んだ。
金属タグは従来、金属製品の裏側に貼り付けたり、大量に積層したりすると読み取れなかった。フェニックスソリューション(金沢市)は、これを解消した。金岡久夫社長は「ベンチャー企業の成長に必要なのは信頼されること。そのためには実績が必要だ。受賞が第一歩になれば」と決意を新たにしていた。
ソフトウエア部門で優秀賞のエヴィクサー(東京都中央区)は、音響通信を利用し、メガネ式ウエアラブル端末などに字幕を表示するソリューションを提供している。瀧川淳社長は「社員一同、力を合わせて新技術を世に出そうと頑張ってきたので大変光栄だ。今後は技術のブランド化に取り組みたい」と目を輝かせていた。
(2017/4/19 05:00)