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[ 科学技術・大学 ]
(2017/5/9 05:00)
大阪大学大学院基礎工学研究科の中村暢伴助教らは、微粒子を溶液中に高い充填率で分散したコロイドガラスが、特定の周波数の振動で結晶化が急速に進むことを発見した。
従来の結晶化理論では説明できない現象。熱処理に加えて音による結晶化手法の可能性があることを示した。超高強度材料の開発につながると期待できる。
研究グループは、水溶液中に1・5マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の微小ガラス玉が数十億個入ったコロイドガラスを使って実験。周波数を変えながら振動を与えたところ、70ヘルツ付近の振動で結晶化が急速に進んだ。今後、結晶化の仕組みの解明を進める。
手法が確立すれば、原子や分子が不規則に並んだガラスを、加熱することなく規則的に配列し結晶化できる。特定の部分だけの結晶化も期待でき、ガラスと局所的な結晶による新たなフォノニック結晶の開発にもつながるとみている。
(2017/5/9 05:00)