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[ 科学技術・大学 ]
(2017/5/12 05:00)
東京大学大学院理学系研究科の小森純希大学院生と安藤亮輔准教授らは11日、1703年発生の「元禄関東地震」と似たタイプの地震が、日本海溝から相模湾に至る海盆「相模トラフ」の沈み込み帯で最短500年の間隔で起こっていたと発表した。過去約6300年間に起きた似たタイプの地震を調べた。
このタイプの地震が繰り返し発生する間隔を「平均約2300年」とした国の長期評価の見直しを迫る成果だ。
巨大地震が発生し地面が隆起すると、波打ち際の海底が陸上に現れ、階段状の地形「海岸段丘」を形成する。
研究グループは、緻密なボーリング調査を房総半島先端の海岸線で各段丘面に対して複数箇所で実施。多数の地層試料を採取した。試料の分析などの結果、海岸段丘を形成した年代の間隔を最短500年、最長2800年と突き止めた。
元禄関東地震の地震の規模を示すマグニチュード(M)は推定8・2。政府の地震調査推進本部はこの地震と似たタイプの地震は、約2000―2700年(平均約2300年)の間隔で発生すると推測してきた。
産業技術総合研究所の宍倉正展研究グループ長、東大大気海洋研究所の横山祐典教授らとの共同研究。成果は16日に欧州科学誌アース・アンド・プラネタリー・サイエンス・レターズ電子版に掲載される。
(2017/5/12 05:00)