[ ICT ]
(2017/5/15 18:30)
世界各国で先週末からサイバー攻撃の被害が広がっている問題で、日立製作所は15日、社内システムでウイルス感染による障害が発生したことを明らかにした。JR東日本でも、関東地方の支社でパソコン1台がサイバー攻撃によるものとみられるウイルスに感染。多くの企業は従業員に不審なメールを開かないよう注意喚起するなど警戒を強めているが、被害はさらに拡大する可能性もある。
日立では、社内システムが不安定になり、一部でメールの送受信ができなくなったり、添付ファイルが開けなくなったりする障害が発生したことが15日に判明した。詳しい原因は調査中だが、同社はサイバー攻撃の影響とみている。
JR東のパソコンは12日にウイルス感染が判明。主にインターネット閲覧用に使う端末で、社内の情報ネットワークとは切り離されているため「鉄道の運行やサービスに影響はない」(広報部)という。現在、詳しい状況を調べている。
サイバー攻撃に使われたウイルスは、多くのパソコンが搭載している米マイクロソフト(MS)の基本ソフト「ウィンドウズ」のセキュリティー上の弱点を突き、感染すると端末内のファイルを暗号化して使えないようにし、元に戻すための金銭を要求する「ランサム(身代金)ウエア」の一種。経済産業省所管の独立行政法人、情報処理推進機構は、MSが公開している更新プログラムを適用するとともに、ウイルス対策ソフトを最新状態に更新するよう広く呼び掛けている。
サイバー攻撃の被害は12日ごろから世界各国で発生。被害は少なくとも150カ国、20万件に上るとされ、英国にある日産自動車のサンダーランド工場でも生産システムがウイルスに感染、現地時間の同日夜に生産がストップした。
ウイルス対策ソフト大手トレンドマイクロによると、問題のウイルスは日本国内でも12日から13日だけで数百件検出されている。(時事)
(2017/5/15 18:30)