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[ 科学技術・大学 ]
(2017/5/22 05:00)
気象研究所の山口宗彦主任研究官らは、台風の強度を高精度に予測する手法を開発した。米国と連携して開発した新手法と気象庁の既存の予測手法を組み合わせ、日本の過去の台風データに適用。従来手法に比べ、台風の強度予測の精度を3割向上できることが分かった。正確な強度予測で被害を予想できれば、住民に早めの避難を促すなど対策を立てやすくなる。
米国ハリケーンセンター(NHC)が開発した「SHIPS」という予測手法を利用。現在の台風の強度や海面水温など、23種類の要因を数式に盛り込み日本版に改良した。
SHIPSを含む五つの予測手法を組み合わせ、2013―15年の全台風と予報を対象に、台風の中心気圧の予報精度を従来手法と新手法の場合で比較。1―5日後の予報で約30%精度が向上することを突き止めた。
近年、台風の進路予測の精度は大きく向上し、台風の進路の候補となる円の半径はここ20年で半分以下となった。だが台風の強度予測は進んでいなかった。成果は25日、国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で開催の日本気象学会で発表する。
(2017/5/22 05:00)
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