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[ 科学技術・大学 ]
(2017/5/24 05:00)
日本電子は東北大学多元物質科学研究所の陣内浩司教授と共同で、走査電子顕微鏡(SEM)で従来比1000倍以上の大面積を自動観察する技術を開発した。自動で焦点を合わせながら視野を次々にずらして計測し、それらの画像をつなぎ合わせる。原理的には試料ステージの動く範囲なら1枚の画として観察でき、半導体ウエハー全体の計測も可能。汎用SEMにプログラムを追加すれば機能を加えられる。日本電子は受注を始めた。
電界放出型SEMに新規開発した自動撮影プログラムを搭載し、高分子基板表面を観察した。基板表面はナノメートルサイズ(ナノは10億分の1)の垂直な柱が並んでおり、中には斜めに傾いた柱もある。直径140マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の範囲を計測し、ムラや乱れた部分を特定できた。一般的にSEMの観察範囲は数マイクロメートルだった。
自動撮影プログラムは一度に撮影する範囲の分割や焦点調整、画像の重ね合わせ面積調整、画像の統合を自動で行う。一般的なSEMで数百マイクロメートルの計測が可能。1枚画から画像処理で特徴的な部位を抽出したり、ムラなどを定量化したりする技術は開発されている。研究開発用と製造プロセスの品質管理用の両方に提案していく。
(2017/5/24 05:00)
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