[ オピニオン ]
(2017/5/24 05:00)
夏のような暑さが続き、オフィス街でも上着を脱いで歩く人が目立つ。本番はどこまで気温が上昇するか気になるところだが、気象庁によると、全国的に平年より高いと見込まれている。
酷暑は避けられそうもないが、首都圏では7月に暑さがさらに増しそうな熱い戦いが始まる。4月の都市ガス全面自由化を受け、東京電力が家庭用ガス市場に参入する。東京ガスより最大8%安い料金設定で、2019年度中に100万件の契約獲得を目指す。
昨春に始まった電力自由化で、東電は東ガスに70万件以上の電気の契約を奪われており、反転攻勢に打って出る格好だ。受けて立つ東京ガス常務執行役員の中島功さんは「(顧客を奪われて)はい、そうですかとはいかない」と対抗心を見せる。
資源エネルギー庁によると、都市ガスの切り替え件数は5月5日時点で近畿が13万5651件の一方、関東は1万9882件。関東が主戦場となっている電力とは様相が異なる。
関東圏での切り替えが低調に映るが、小口市場に新規参入を表明している全国12社のうち9社が関東勢だ。東電のサービス開始は国内最大市場となる関東の消費者に切り替え意欲を“点火”するのか。ガスの夏の陣から目が離せない。
(2017/5/24 05:00)