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[ 科学技術・大学 ]
(2017/5/26 05:00)
白鶴酒造は、日本酒のおいしさを科学的に分析し、酒の品質を左右する糖アルコールなどの成分を“見える化”する手法を開発した。
日本酒の分析項目としてはアルコール度数や酸度などが一般的だが、こうした数値が同じでも品質にはばらつきがある。酒の品質に関連する成分をデータ化することで、新しい醸造方法の開発につなげていく。
白鶴酒造は2007年に独自品種の酒米「白鶴錦」を開発している。今回、これから造った酒の成分について、細胞の代謝物を網羅的に解析する「メタボロミクス技術」を使って解析した。白鶴錦を使った酒について、たんぱく質や脂質などの成分を分析したところ、糖アルコールの一種など、51の化学物質の同定に成功した。
また、日本酒は、後味の余韻が続く「押し味」という特徴を持つ。この押し味の強弱について、揮発成分の分析によって調べたところ、味の違いの評価に有用な121の成分が明らかになった。
同社の明石貴裕研究室長は、「日本酒造りの伝統的な技と、科学技術を組み合わせればさらにおいしいお酒が造れる。酒の成分から白鶴錦の特長をさぐり、アピールしたい」と話している。
成果は27日から龍谷大学で始まる分析化学討論会で発表する。
(2017/5/26 05:00)
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