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[ 科学技術・大学 ]
(2017/6/9 05:00)
東京大学大学院薬学系研究科の金井求(もとむ)教授らは、染色体を選択的に化学変化できる「人工化学触媒システム」を開発した。ヒトのがん細胞の核たんぱく質で証明した。がん抑制遺伝子を化学修飾して発現を促すなどの利用を想定しており、医療への応用が期待される。
研究成果は9日の米科学誌ケム電子版に掲載される。
染色体はDNAとたんぱく質「ヒストン」の複合体で構成される。DNA上の遺伝子が読み取られるとき、ヒストンに「アセチル化」という化学的な修飾が起きる。
研究チームは、DNAに作用しやすい触媒とアセチル化を起こす物質を新たに作成。ヒトのがん細胞の核からたんぱく質を取り出してこのシステムで作用させると、ヒストンに反応してアセチル化が進んでいた。
金井教授は、「触媒が細胞膜を通り抜けるかどうかを検証する必要がある。細胞内で化学反応を進行させ、実用化へつなげたい」としている。
(2017/6/9 05:00)
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