[ 機械 ]
(2017/6/20 05:00)
【三菱電機執行役員産業メカトロニクス事業部長】
―出展のコンセプトは。
「人手不足と“変種変量生産”への対応だ。ベテラン作業者がいなくなる中で、習熟度が低くても問題なく加工できるようにする。日々変わる生産状況に柔軟に対応できるようにすることも重要だ」
―クラウドを活用してレーザー加工機の稼働状況を遠隔監視するサービスが強みです。
「2016年に提供を始め、採用実績は200件に達する。4月からは放電加工機にも提供している。顧客がどこにいてもスマートフォンで確認できる。当社のサービス員が遠隔診断し加工方法を助言することもできる」
―そのサービスをどう進化させますか。
「レーザー加工機だけでなく、集塵機、コンプレッサーなど周辺機器まで対象範囲を広げる。これらが故障すれば、レーザー加工機が使えないからだ。17年度中に対応するので、MF―Tokyoでデモンストレーションを実施する。また、現在は国内だけだが、17年度中に海外でも利用できるようにする。作業者の習熟度を考えると、海外のほうが需要が高いだろう」
―今月1日に発売したファイバーレーザー加工機を出展します。
「新開発の数値制御(NC)装置を搭載しており、スマートフォンのように操作できる。特徴は拡張現実(AR)を活用している点。加工テーブル上からのカメラ画像にARを当てはめ加工結果をイメージできる。他社との差別化要因になると考えている。8キロワットと高出力なので、建設機械、バス、トラックなどに使う厚板を切断できる」
―二酸化炭素(CO2)式が得意ですが、市場ではファイバー式への移行が進んでいます。どうすみ分けますか。
「販売台数ベースのファイバー機の比率は16年度の3割から17年度は4割に高まるだろう。だが『とにかく移行を』と提案するわけではない。CO2機が最適と思う顧客にはCO2機を勧める。MF―TokyoにはCO2機も出展する」
【記者の目/協業で幅広い提案力が強み】
遠隔監視サービスはNECのクラウド基盤を活用したもので、他社との協業がサービスを可能にした。MF―Tokyoは村田機械との4回目の共同出展だ。同社のタレットパンチプレスなどと組み合わせ、生産状況に合わせた柔軟な工場を実現できるという。協業による幅広い提案力が強みになっている。(名古屋・戸村智幸)
(2017/6/20 05:00)