[ オピニオン ]
(2017/7/6 05:00)
海外から日本を訪れるクルーズ船を呼び込もうと、寄港拠点となる港湾の整備を後押しする動きが加速している。クルーズ船が各地に寄港できるようになれば、また違った形で日本の魅力を発信できる。訪日外国人の増加による経済効果も小さくないだけに、港湾施設の拡充を期待したい。
旅客ターミナルビルなどの施設を整備したクルーズ船会社などに、港湾管理者が岸壁の優先使用を認める改正港湾法が先の通常国会で成立した。国土交通省は1月に「官民連携による国際クルーズ拠点」として整備強化する港湾に横浜、清水(静岡県)、佐世保(長崎県)など6港湾を選定しており、同法の施行を受けて今後6港湾の整備が本格化するとみられる。
横浜港の港湾管理者である横浜市は、市独自の港湾整備計画と国庫補助事業を組み合わせ、「クルーズ船が発着する東日本の拠点港」を目指す。クルーズ船の多くが着岸する大さん橋は、船の大型化に伴い実質2隻しか停泊できない。そこで自動車専用船向けの大黒ふ頭と、大さん橋に近い新港ふ頭を旅客用として整備し、大型船4隻が同時停泊できるようにする。
6月に国交省は、クルーズ船の受け入れ拡充のため公募した17年度「国際クルーズ旅客受入機能高度化事業」に24港29地区の事業を採択した。国が事業費の3分の1を補助するので「財政負担を軽減できる」(横浜市港湾局)と港湾関係者から歓迎の声も少なくない。
横浜港は新港ふ頭の船への搭乗通路「ボーディングブリッジ」と、大黒ふ頭の暫定的な税関・出入国管理・検疫(CIQ)施設や駐車場を整備する事業で支援を受ける。
国は東京五輪・パラリンピックを開催する2020年に、訪日クルーズ旅客数500万人を目標に掲げる。これは16年実績比で約2・5倍の数値だ。
目標達成には港湾整備に向けた国の支援強化はもちろん、隠れた名所巡りやスポーツ観戦をクルーズに組み込むなど、新たな観光の魅力を発信することも重要だろう。
(2017/7/6 05:00)
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