[ 機械 ]
(2017/7/7 05:00)
■日本塑性加工学会会長・吉田一也氏−産学の垣根取り払う
―産学連携を目的に、学会テクニカルセミナーや大学研究室発表会を開きます。
「当学会からは21の研究室が参加し、研究内容を発表する。鍛圧機械は日本が誇るべき製品で、その祭典がMF―Tokyoだ。企業と研究室の個別の産学連携ではなく、大きなくくりの連携はこのような場でしかできない。大学の研究は基礎的な内容が多いが、ここまで進んでいると知っていただきたい」
―研究者から見た鍛圧機械の現状は。
「鍛造機械は別れ道にある。鍛造機械には作業長の“血”が流れる、人そのものと言える。ところが世界の流れはIoT(モノのインターネット)、人工知能(AI)などで生産性をいかに高めるかにある。今後、従来とは違った機械、製品が出てくるだろう。MFはそうした新しい道を知る貴重な機会だ」
―今の産学連携をどう評価していますか。
「産学連携がなければ日本のモノづくりは立ち行かなくなるところにある。業界内でも当学会を知っている方は極めて限られているのが実情だ。産が思っている学との間の垣根を取っ払いたい」
■日本鍛造協会専務理事・村島善樹氏−38社・団体が鍛造品出展
―各会員一押しの製品を出品します。
「ブース幅を前回比で1・5倍に広げた。ここに出すのは会員がプレス機械などの加工機を使い、薄肉化や高精度化を図った鍛造品だ。14日には午前と午後の2回、宮大工を講師に、大工の立場から品質と職人魂を語ってもらう講演会を開く」
―異業種などとの連携を促す初めての試みもあるそうです。
「『出展企業ガイドブック』を作成し、事前に各工業会などに配布した。出展する35社・3団体の概要、特長を載せた。16社のブースには2次元コード(QRコード)があり、対応するスマートフォンをかざせばその会社の情報を見られるようにした。これらをきっかけにニーズとシーズをマッチングしたい」
―鍛造機械のユーザー団体として、機械に望むことは。
「加工機、周辺装置、潤滑油などの進化なくして鍛造品はできない。その進化の好例にサーボプレス機がある。ただ、導入している会社はまだ少ない。装置の価格と消費電力がネックだ。成形技術としては優れており、進化に期待している」
(六笠友和)
(2017/7/7 05:00)