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[ 建設・住宅・生活 ]
(2017/7/28 05:00)
飯田グループホールディングス(HD)は大阪市立大学と共同で、二酸化炭素(CO2)をエネルギーに変換する「人工光合成技術」を活用したエネルギー自給自足型の実験住宅の開発を始めた。住宅業界では現在、太陽光発電システム(PV)や蓄電池を使って住まいのエネルギー収支を実質ゼロにする「ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)」の普及が進むが、今回の取り組みはゼロエネ化にとどまらず、CO2削減に直接つながる。
両者が取り組むのは人工光合成によって水素の源となるギ酸を生成・貯蔵し、必要に応じてギ酸から水素を生成して発電したり、水素生成の余熱を給湯に使ったりできるシステムの構築だ。
現在は沖縄県の宮古島で、同システムを使ってエネルギーを自給自足を目指す実証実験住宅「IGパーフェクトエコハウス」を建築中。2017年内に完成させる。この実証実験住宅に、人工光合成によってギ酸を生成する装置やギ酸の貯蔵タンク、水素生成装置などを順次開発・実装し、20年までに技術の確立を目指す計画だ。
両社は15年、飯田グループHDが大阪市立大学の人工光合成研究センターに、共同研究部門を設ける形で研究を開始。17年には太陽光のエネルギーを利用して高効率でギ酸を生成・貯蔵し、このギ酸から水素を生成する新しい人工光合成技術を開発した。さらに生成した水素から高効率で発電する技術もできたため、今回の実証実験に移ることにした。
現在のエネルギー自給自足型住宅は、太陽光発電システム(PV)と家庭用エネルギー管理システム(HEMS)、蓄電池、電気自動車などを組み合わせる形が主流だ。こうした住宅に比べると、IGパーフェクトエコハウスはエネルギー源としてギ酸を長期保存できる点が長所となる。相互融通もしやすい。蓄電池のような放電ロスもない。
ただし、大阪市立大学・人工光合成研究センターの天尾豊所長は「太陽光プラス蓄電池という組み合わせとは競争しない」とする。実用化する前から技術的に確立した組み合わせと優劣を競ったところで将来的な普及は見込めない。あくまでも「二酸化炭素を活用しようという発想が原点」(天尾所長)であり、その原点を大事にしながら実用化にふさわしいシーンを模索する考えを示す。
(2017/7/28 05:00)
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