[ 科学技術・大学 ]

東北大・山形大、全方向駆動車輪開発-その場で方向転換、3年以内の実用化へ

(2017/7/31 05:00)

  • 全方向車輪搭載の移動ロボ、手前が全方向車輪

  • 全方向車輪のカットモデル

東北大学の多田隈建二郎准教授、野村陽人大学院生と山形大学の多田隈理一郎准教授らは、前後左右に進むことのできる「全方向駆動車輪」を開発した。球状の大車輪の表面を小さな車輪が取り囲むように配置した。大車輪が前後、小車輪が左右方向に回転し、全方位に移動できる。ロボットに取り付ければ小回りが効き、その場で方向転換などができる。3年以内の実用化を目指す。

大車輪の周囲に、12個の小車輪を配置した。大車輪を左右に貫く回転軸が左右に分かれており、左右の軸を同じ方向に回すと大車輪に力が伝わり、全体としては前後に回転する。左右の軸を反対方向に回すと小車輪に力が伝わり、全体としては左右に移動できる。

右前など斜めに進みたい場合は、片方の軸の回転を少し遅らせると大車輪と小車輪が同時に回転するため斜め移動ができる。

車輪の内部で歯車をかみ合わせて複雑な機構を実現した。左右の回転軸から小車輪まで4枚の歯車を介して伝達している。

現在はメカニズムを実証した段階。今後、歯車を減らして製造コストを抑える。また防塵性を高め、歯車のかみ合いに異物が混入しないようにする。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発事業で開発した。

(2017/7/31 05:00)

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