[ 機械 ]
(2017/8/8 05:00)
【業務用加湿空気清浄機 ピュアウォッシャー】
クボタの空気清浄機「ピュアウォッシャー」は、工場のクリーンルーム向け空調機で培った水噴霧技術を対人空調用途に活用した製品。業務用でありながら、家庭用のニーズを取り込もうと、介護施設や病院などの公共スペースでの設置を念頭に置き、デザインから着手した。
産業用の機械は無機質で角張ったような外観が多い。相澤拓電装機器開発営業部ピュアウォッシャーグループ技術チーム長は「空調部門で今までデザインを意識したことはなかった」と、振り返る。
目指したのは「どんな空間にも違和感なく調和するデザイン」(東川嘉孝研究開発本部デザインセンターデザインチーム長)。ただし、存在感も出せるよう工夫した。水平基調を残しつつ柔らかさ、安心感といったイメージの具現化に腐心。安全面も考慮し、筐体(きょうたい)の角に丸みを持たせた。
空気の流れも計算して、清浄後の空気が人の頭上から斜め上方に吹き出して広い空間へ届くように設計した。
他社従来品にない特徴が、次亜塩素酸水の一種で人体に安全で殺菌力が高い微酸性電解水を取り出せること。内部で電解水を生成し、取り込んだ空気の殺菌や消臭のために使っていたのを、改良の過程で「取り出せたら面白い」(相澤技術チーム長)と考えた。空間除菌に加え、ドアノブなど、人が触れる箇所の表面除菌もできる機能として組み込んだ。
電解水は購入すると1リットル当たり1000円程度と高価だが、ピュアウォッシャーでは水道や電気代、薬品を含めたコストが同2円で済む。常に新鮮な電解水を供給でき、使いたい場所に置いて取り出せるのも訴求点だ。
電解水はアルコールでは難しかったノロウイルスを除菌できるほか、インフルエンザ対策にも使える。納入先のブルボンでは、工場や事業所など10カ所で24台を導入した。開発初期から協力を得て、製品を改良していった。導入した工場ではウイルスのまん延が防げたという。今後はシリーズ化も進めていく。(大阪・窪田美沙)
(2017/8/8 05:00)
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